후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
「あっ、投げ槍」
咄嗟のまに、地上の小筥はもうなかった。それを胸に抱いて、ひた走りに跳んだ女の姿を見つつも、八弥は再び樹を楯にして、居辣まなければ危険だった。
その意外な敵は、もう彼の踏んでいる地上を遠くもなく、榛の木の疎林を縫って、ばらばらとこっちへ駈けて来る。もう含月荘に近いから、或いは、そこの番士かも知れない。いかにも、山詰めの武士らしい膝行袴ばきの影が十人ばかり、各※(二の字点、1-2-22)短槍を引ッ提げて、獣群を放したように草ぼこりを立って来た。
× × ×
峰の襞には、白い仔猫がかたまって首を入れているように、動かない雲があった。
七刻を過ぎているが、空はまだ浅黄いろに明るかった。
「お願いの者でござります」
小筥を抱えた女は、あれから程なく、少し息を喘ぎながら、含月荘の黒い門の前に立っていた。
門といっても、巨大な自然木を組んだ風流門である。塀といっても、古代の山城のように木柵を結いめぐらしてあるのである。しかし広さは何万坪あるか、山そのものの林石をありのままにとり容れてあるのだからほとんど見当がつかない。