후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
「ばか、そんな所に、脈があるか。はやく槙町の外科の先生を呼んで来い」
ひとりが、飛び出す。
ひとりが、台所から、柄杓で、水を持って来る。その柄杓の水が、枕もとにこぼれて、嬰児が泣き出す。寝ぼうな女房が、やっと、眼をさまして、これも、寝みだれ姿で、狼狽する。
舟辰の家では、家内じゅうの騒ぎになった。そのうちに、起されて来た外科医が、あたふたと、訪れたが、その外科先生も、寝巻に刀を差していた。
――喉の骨が挫けたように痛んだ。
しかし、その苦痛によって、塙江漢は、医者が帰るとまもなく、はっと、意識をひらいた。
「ああ、ここは」
気が甦ると、すぐに、老先生は、ぱッと、蒲団を刎ねて、立ち上がったが、窓の白い明りに、ぐらぐらとしたように、
「ちぇッ、しまった!」
と、腰をついてしまった。
彼は、舟辰の二階に上げられて、静かに、寝かされていたのだった。だが! だが! ああ何としよう! 夜は明けてしまった。
窓は明るい。静かに、朝のいろを映している。
「ウーム」
と、老先生は、ふとんの上に、どっかり、坐った。ふたつの腕をつよく拱んで、暴風のように荒れ燥ぐ胸を、締めつけた。