후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
いい父娘だ。
誰も、この父と、この娘の、正しさ、優しさが、上品な愛を醸しているのをながめて、褒めぬものはない。
鶉坂の老人は、五百之進とは、刎頸の交際があった。そして、わが子郁次郎の許嫁である花世を、ほんとの子みたいに可愛がッていた。
一巡すると、老人はまた、わら草履をはいて、
「さ、こんどは、わしの住居を見てくれい」
と、二人を伴って、外へ出た。
やはりこの大きな建物は、老人の塒ではないらしい。彼は、先に立って、崖庭を歩き出した。しばらく行くと、同じ向きの崖に、これはまた、ばかに小さな一つのお堂が立っていた。
「愛縄堂」
三井親和の贈った隷書の木額が、かかっている。
「……愛縄堂」
五百之進は、つぶやきながら、中をのぞいた。
堂の内部は、畳二十枚ほど敷ける。炉と、机と、書箱のほか、何もないが、奥の方に、小さな棚が幾だんもあって、それに、さまざまな姿態をした木彫人形が、五百羅漢のように並んでいる。
僧形の雲水、結綿の娘、たけたる貴女、魔に似たる兇漢、遊女、博徒、不具者、覆面の武士、腕のない浪人、刺青のある百姓、虚無僧、乞食、鮓箱をかついだ男、等、等、等――一つ一つ見てゆくとあらゆる階級の諸相諸悪のすがたをもった人間が、呼べば、答えそうに、うす暗い壁へ、無数の影を重ねている。