일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면

아오조라 문고

藍弁慶を着た町人のすがたは、やはり、影の形に添うように、それへ絡んで博物会の外までも付いている。

「ははあ、いよいよ側にいる町人は、彼奴の用心棒にちがいないぞ」

加山と波越は、目で語りながら、火除地の道を木蔭から木蔭へ縫っていた。江戸の火除地には、梧桐がたくさん植え付けてあって、俗に、桐畠ともいうくらい樹が多かった。

そのうちに筋違御門の前まで来た。そこは三ツ叉の交叉路でまた人通りが混んでいる。編笠の侍は、目の前を突ッ切る四ツ手駕をやり過ごして、ついと、燕のように、向う側へ駈け出した。

「あっ!」

と、加山耀蔵は、思わず上ずッた声を上げて、波越の姿をふり顧った。波越は、隠していた十手を手裡につかんで、隼のように、肩を落して、走り出している。

ほんの眼ばたきをする瞬間だった。藍弁慶の町人と編笠のふたりが、辻の中ほどで何かに蹌いた。――と思うまに、ぱッと、二人は左右に駈け別れているのだった。

しかも、波越の眼に映ったのは、その咄嗟に、町人のすばやい手が侍の懐から何物かを受け取っていたことである。

(さ! どッちを追おうか?)

ふたりの足は、刹那にちょっと譲り合ったが、波越が一散に深編笠を追い捲って行ったので、加山耀蔵は、いきなり横ッ跳びに逃げ出した、藍弁慶の町人を、遮二無二、息もつかずに、追い詰めて行った。