후리가나로 읽는 일본 고전
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がらすどのうち
硝子戸の中
夏目 漱石의 硝子戸の中(がらすどのうち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,702자 · 105화면
と低い声で叫んだ事があった。ただ秋の色の空に動くのを美くしいと観ずるよりほかに能のない私には、彼の言葉が封じ込められた或秘密の符徴として怪しい響を耳に伝えるばかりであった。「悟りというものは妙なものだな」と彼はその後から平生のゆったりした調子で独言のように説明した時も、私には一口の挨拶もできなかった。
彼は貧生であった。大観音の傍に間借をして自炊していた頃には、よく干鮭を焼いて佗びしい食卓に私を着かせた。ある時は餅菓子の代りに煮豆を買って来て、竹の皮のまま双方から突っつき合った。
大学を卒業すると間もなく彼は地方の中学に赴任した。私は彼のためにそれを残念に思った。しかし彼を知らない大学の先生には、それがむしろ当然と見えたかも知れない。彼自身は無論平気であった。それから何年かの後に、たしか三年の契約で、支那のある学校の教師に雇われて行ったが、任期が充ちて帰るとすぐまた内地の中学校長になった。それも秋田から横手に遷されて、今では樺太の校長をしているのである。
去年上京したついでに久しぶりで私を訪ねてくれた時、取次のものから名刺を受取った私は、すぐその足で座敷へ行って、いつもの通り客より先に席に着いていた。