일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちちぶのけいこくび

秩父の渓谷美

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 秩父の渓谷美(ちちぶのけいこくび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,963자 · 10화면

아오조라 문고

五月の秩父

五月の秩父

いつも五月、一年中でのよき日である五月になると、私は秩父の山や谷を思い出すことが避け難い一の習慣のようになっている。恐らく秩父の自然に、私などのよく歩いた時と今とでは、人工的に加えられた変化の大なるものがあるであろう。私自身も其中の幾つかを見て知っている。けれども其山や谷がもつ懐しさには少しも変りが無い。そして其懐しさは、全く秩父の山も谷も、人を惹き寄せて置いて、更にこれを抱擁するといったようなやさしさにたとう可き或者を持っている為であることを否めないのである。秩父の山としては異彩を放っている両神山でも瑞牆山でも、或は又破風山でも金峰山でも、人を威嚇するようなところは少しも無い。あの金峰山頂の五丈石なども、遠望のいかめしいに似ず、近寄って見ると単に大きな岩が平凡に積み重っているだけのものに過ぎないのを発見する。唯笛吹川の上流子酉川の左岸に屹立した鶏冠山のみが、青葉の波の上に名にし負う怪奇な峰頭を擡げて、東沢西沢の入口を扼し、それらの沢の奥深く入り込もうとする人に、暗い不安の影をちらりと投げ懸けているといえばいえよう。それでいて反て此山あるが為に、其奥に隠された秘密の如何に優しい美しいものであるかを想像せしむるに余りある程の親しみ易さを見せているようである。