후리가나로 읽는 일본 고전
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
山本 周五郎의 美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 73,583자 · 149화면
「左内の声は戦場できたえた声だ、人の機嫌をとる猫撫声は持合わさぬ」
小房は全身が恥ずかしさで戦いてきた。――いまの今までここで市之丞が、「左内殿のような勇士になりたい」と言っていた。その当の父が、現在許嫁の約のある家へ来てこの始末、……小房はどうにも居堪れなくなって、
「菊枝さま、市之丞さま、――お赦し遊ばせ。どうぞお赦し遊ばして」
と言うと、こみあげて来る涙を抑えながら、夢中でそこから走りだしてしまった。
どこをどうして帰ったか覚えがなかった。家へ着いて自分の居間へ入ると、怪しむ乳母の問いにも答えず、そこへうち伏して小房はわっと泣き沈んだ。
――あんまりだ、あんまりだわととさま。あなたをあんなに褒め、立派な武士、天下の勇士と言っている市さまのお家まで、なんのために辱める必要があるんですの?
小房は身を揉んで怨んだ。
――たとえお金をお貸しなされても、小房と市さまは許嫁、本当なら返すに及ばぬとおっしゃって下さるのが小房のためではありませんか。もしこんな事が因で、市さまとのお約束に間違いでも出来たら、そうしたら小房は……。
まがしい予感が乙女の心をぞっとさせた。