후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(五)金の鯉(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 136,062자 · 276화면
天井に張った、幕やら葭簾やらを通して、ほんのり月の光が射し込んで、白張も、柳も塔婆も、かなりはっきり見えます。一つは、平次の眼が、この薄暗がりに馴れたせいもあるでしょう。
やがて丑満(二時)頃。
柳の下に何やら動くものがあります。と見ると、それはユラユラと背が延びて、忽ち一人の娘――夜目にも匂うばかりの美しい娘姿になるのでした。
「お、お雛さん」
平次は同じ町内に住んで、この娘の顔は眼をつぶっていても思い出せるほどよく知っておりました。
髪こそ解き下げておりますが、素顔の色も白々と、秋色を縫い出したらしい単衣、赤い帯さえ夜目にも可憐です。
「シ、静かに、銭形の親分、お見かけしてお願い申します、どうぞ私を」
「シッ」
今度は平次が手を振りました。誰やら近づく気配。
「お雛さん、こうしている時ではない、さア逃げましょう」
青竹の手摺の中へ、手を延べようとすると、
「泥棒ッ、泥棒ッ」
「泥棒が入ったぞ、打ち殺せッ」
得物を持った五六人の若い者、平次を目がけてサッと殺到しました。
「エッ、邪魔立てするな」
相手の人数を測り兼ねて、十手は出しません。一人二人取って投げて、お雛をさらって逃げようとすると、いけません。