후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,139자 · 233화면
いや、偶然ではなくて、それは後ろから跟けて来るガラッ八を目的に、わざと拾わせる心算で落したのかもわかりません。
しかし小判一枚となると、八五郎ならずともそれは大金です。夕陽にキラリとするのを指につまんで高々と宙に振りながら、ガラッ八は思わず駕籠の後を追いました。当然それは深々と垂れをおろした駕籠の中の客に返さるべきものだったのです。
「待ってくれ――その駕籠待ってくれ」
あわてて駆け出したガラッ八の足許へ、その軽率をとがめるように、カラリと落ちたのは、その頃の下町娘が好んで簪した、つまみ細工の美しい櫛ではありませんか。
「…………」
ガラッ八は完全に封じられてしまいました。駕籠の中からは、明らかに、ガラッ八の注意を促すために手当り次第に物を捨てているのでしょう。そうでもなければ、南鐐と小判と飾り櫛は、いかにも取合せが変てこです。
中橋から南伝馬町へ来ると、四文銭が一枚、コロコロと転がり落ちました。駕籠の中の客も、少し懐ろが怪しくなったのかと思うと、京橋を渡ったところで落したのは、二分金が一枚。
駕籠はそんなことに構わず、夕暮近い江戸の町をヒタヒタと急いで、芝口から宇田川町へ、浜松町へとさしかかります。