후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
時々、思うのである。ぼくのやっているこの長い仕事と、この子の伸びてゆく背丈と、どっちが確実な成長をとげているのだろうと。すると、どうもかなわない気がしてならない。けれど、いい目標ではあると思って、香屋子の育ちに負けないように、おりおり、自分を励ましては、稿を耕すということばのもつ勤勉をふるい起こす対象としている。
週刊朝日で既報された大阪朝日会館の読者大会の帰途、丹羽文雄氏や出版局のKさんと一しょに、奈良の中宮寺と法華寺へまわった。
京都からそこへ行く途中を利用して、やがてこれから書く以仁王の謀反、その以仁王と源三位頼政が敗れて、三井寺から宇治川へ落ちてゆく足跡を見ておくため、わざと三井寺から大まわりをして、俗に今でも“頼政越え”といっている山間だの部落ばかりを通って自動車で奈良へ行くことにした。
その頼政越えは、劇作家で宇治にいる林悌三氏が先に調べて、当年の史料を辿り、絵図面まで作っておいてくれたのである。非常に楽しい日であったし、ぼくにとっては、以仁王の謀反と頼政の平等院の討死のときを書くばあいに、大きな下準備となったのはいうまでもない。
けれど、あとの車で同行された丹羽氏にとっては、今、週刊に連載中の“蛇と鳩”の材料にもならないので、迷惑だったにちがいない。