일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면

아오조라 문고

人の降りる所、江岸の山添いに、わずかな屋根が見える。また、遡行してゆく。水悠々。人悠々。

ふいに、ぼくら旅客の眠りをさまして、案内嬢がいじらしい嬌声を張りあげる。瀞八丁から奥瀞までの探勝の美文は彼女のそらんじるまま口をついて出で、船体の震音とともに、一つの音楽にさえなっている。水悠々。人悠々。

宮井から、水路がわかれ、北へ溯行すると、川幅も狭ばみ、流れも急になってくる。奇岩乱峭といった瀞の絶景が、これでもかこれでもかといわぬばかり、大自然の奇工が、両岸から圧してくる。

見上げるような釣り橋の下。そこの河原でプロペラ船を下りる。断崖の上に見える旅館へ、昼食を求めに登ってゆく。Kさんの労り心、ぼくに、杖を渡してくれる。この杖、石楠花の木なり。「道中の花はこれにおしなさいよ」の意か。なるほど、登るのに、たいへん助かる。この年の暮で、小生の五十九もおしまいになる。来年は六十。記念すべき杖、東京まで持って帰ろうなどと考え考えやっとのことで登りきる。

えらい所へ旅館を建てたものと思う。が、説明をきくと、ここで峡の絶壁は三断していて、奈良県、三重県、和歌山県の三県が、一水をへだてて対い合っているのだとある。