후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
信仰もだが、信仰に伴う行楽の意味も充分にあったのだろう。女院たちも、また源平の武将なども、単独でみな来ている。熊野詣では、ある一時代、貴族や武家の流行でさえあったようだ。そして平ノ忠盛は、熊野別当の息女に通って忠度を生ませ、源ノ為義にも、同じような艶話がある。公卿や郎党のあいだにも、とりどり男女の情事もなかったとは限らない。厳島の“厳島の内侍”といったような熊野巫女もたくさんにいたのである。煙村の少女、温泉の湯女、物売りの女など、かえって、都人のすきごころを疼かせたことでもあろう。――などと空想はまたさっきバスの待合所前で見た村の童女の顔に返って来て、「ああいう顔はこの土地に遺っているはずの種族なのだ」という自分の発見をなお独語して理由づけていた。
村長、助役さんが、途に迎えて下さる。村端れの社殿に詣りにゆく。ただしここは明治何年かに遷された地域。歴史的な大洪水や山つなみなどで、八世紀前の小京都は、今では完全に熊野川の河底になっているという。
バスで湯ノ峰へゆく。約二十分。暮色の深い山ふところに、宿屋の灯と、湯けむりが、待っている。あずまやの四階に坐りこむ。