후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
長い歳月の松風に、人間の恩愛怨恨すべては無に帰し、すべては浄化されつくすといった感じだ。マ氏ではないが、喜々と笑って生きている一日のみが尊まれる。そして、崇徳の御生涯もふくめて、一切の歴史は後代へのより良き社会道標としてのみ朽ちない価値をもつものと思う。
風颯々。汗の毛孔は氷ってくる。歴史への感傷など、ふだんは、現実感に来ないが、峯高く、松さやぐ、塵界遠いここに立てば、やはり遊子の情みたいなものを、禁じえない。
「時」のふしぎよ、おもしろさよ。七百年の昔、たれか思おう。西行が白峯紀行にも書いた「――清涼、紫宸の間、百官にかしづかれ給ひ後宮後坊の台には、三千の美翠の釵、あざらかにて、おん眦に懸らんとのみ倖せし給ひし……」若き聖天子でありながら、人間的には、獄の囚人、野の乞食よりも、悲惨な末路をとげ給うた崇徳の君のおくつきに、今は、西行法師ならぬマックラウド氏が腰かけている。ニコニコとひとりカメラのヒルムの入れ換えをやっている。レンズの裏から抜かれたヒルムは、たちまち、もう歴史のケースへ入った物象である。
ぼくらが参詣している間に、竹箒を持った二、三名の陵墓管守が、そこらの落葉をかき集めて、番茶をわかしてくれる。