후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
権宮司さんの説明は学究的である。こう厳島研究に身を入れながら、島に住んでいるのもなかなか楽しいことであろうと思われる。聞けば、前に鎌倉にいて、鎌倉文化人のたれかれには、旧知の人も多いという。うっかり話題がそっちへ飛ぶと、せっかくの説明が聞けなくなるので、努めて平家のころへ話題を誘う。
とはいえ、建築史、所伝の史料、遺習遺蹟など、厳島文化史は、優に大冊の一地誌にもなろう。それを黄昏せまれる今ごろから、ざっとでも御案内してもらおうというのだからこっちもずいぶん虫がいい。
清盛の一挿話がここにもある。社務所の横の浜辺でちらと見た“康頼卒都婆石”のいいつたえである。――例の後白河上皇をめぐる側近たちの平家顛覆の謀議に一味した平判官康頼に、ひとりの老母があったという。康頼は、鹿ヶ谷事件の露顕した後、俊寛僧都と一しょに、薩摩の孤島へ流されたが、都の老母をわすれかねて、千本の卒都婆を削り、それに母恋しの和歌を書いては、日課のように、潮へ流していた。その一本が、厳島へ流れつき、康頼を知る者の手から、清盛の許へ、届けられた。――で、清盛は、彼の母を恋う思いにうごかされ、中宮の御安産祈願を口実にして、大赦の令を布き、康頼を老母の膝へ呼び返してやった、というのである。