후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
山深み、山深み、果てがない。なるほど、鬼怒川に二十年もいた山下運転手君が、きょうで三度目といったのも、そのはずと思う。
時々、山中の小部落を過ぎる。製材所が、その中心。そしてかかる二十戸三十戸の部落にも、一戸のパチンコ屋と美容師とは、べつに必ずわれらの文化を代表している。
揺られ通しのせいか、もう、おなかがペコペコになってきた。県境であり、山道中第一の高地、山王峠で、二十分間休憩。
山王峠の紅葉には、瞠目した。特筆に値するものだが、さて紅葉なんてものは、どうにも賞めようがない。わが国の先輩たちは自然への讃辞を過剰にいい尽してしまっている。だが、ここの紅葉は、色紙や短冊などに乗る程度のものではなく、何か天地間の物である。豪放、磊々、雄大、何をもって来たって追っつかない。万山みな燃ゆるといったようなその赤と朱とを主体とした天地間の七彩のかたまりは、太陽さえ小っぽけな物に思わせる。
紅葉とは、片々たる葉っぱのことではなく、こういう物という風に、これからの若人の自然観も審美眼も違って来よう。日本画壇が、近ごろ、とみに衰退を呈し、洋画壇の新人のタッチと、洋画的な感覚とが、時をえてくる所以である。