후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
晴天なら一ノ谷、須磨寺巡りの予定だったが、その勇気もない。午後、春海氏、健吉さん、Kさん、川辺氏など晴間を見て、須磨寺へ出かける。ぼくは懐炉をヘソに当ててむなしく寝て待つ。
惜しいのは、一ノ谷に来ていながら、一ノ谷を踏まないことだが、須磨寺はまず見ずともよしと思う。そして会下山と鵯越えときのうの展望を瞼に、うつらうつら、半眠りの中に、ひとりで幻想をほしいままにしていた。
「小説は小説としてお書きになることもとよりでしょうが、余りに間違いの多い旧来の一ノ谷合戦だけは、どうか忠実に近い裏づけをもってお書きください。『新・平家物語』にそれを期待しているのは小生のみではありません」
これと同様な意味の読者の声を、ぼくは幾通も手にしていた。神戸市史談会の木村省三氏など、わけて熱心な書を寄せられた一人である。
須磨寺へは行かないでもすむように、小説を書くのになにもいちいち実地を見て歩く必要はないともいえる。けれど、どんな史書を読むにも増して、そこの土壌を踏んでみることの方が、ぼくには創作の力づけになる。また発見があり、自己の構想と落筆に信念を加えることも出来るのだった。