후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
ぼくには受けとれない偶像だった。そのため、自分のこの「新・平家」では、年表にも見える「寿永二年三月、義仲、ソノ子志水冠者義高ヲ源頼朝ニ送リテ和ヲ請フ」という信濃千曲川の対陣のころから、伏線的に、巴の母性も、義仲の若い父性もおりおりに点描しておいた。そして、さいごの粟津ヶ原の日まで、特に巴の母性的な子への思いを積み重ねてきたわけである。
その結果、「新・平家」では、巴の行く道は、自然ああ書くしかなくなってしまったのである。そういう空想をぼくは徒らな作者の行為と思っていない。へたな史実よりも確信がもてるからである。その方がぼくには、心がそそぎこまれるのだった。乱軍の中を駈けまわって、敵の首を捻じ切るという怖ろしい女武者というだけでは、巴はただの蛮婦にすぎない、まるで化け物である。どうも化け物はぼくには書けなかった。従って、巴の武勇の面も古典的な余りな誇張は避けて、むしろ平凡なほどに書いた。あの程度の勇ならば、今の女房たちでも、いざとなれば奮い出すのではないか。もちろん、腕力の沙汰ではない。女権のことである。世間の亭主どもの恐妻ぶりや陰口によればそう考えられる。