후리가나로 읽는 일본 고전
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がん
雁
森 鴎外의 雁(がん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 73,950자 · 147화면
お玉さんのばかりなら好いが、爺いさんの支度までして遣らなくてはならないことになった。これには中に立って口を利いた婆あさんも頗る窮したが、爺いさんの云うことは娘が一も二もなく同意するので、それを強いて抑えようとすると、根本的に談判が破裂しないにも限らぬと云う状況になったから為方がない。爺いさんの申分はざっとこうであった。「お玉はわたしの大事な一人娘で、それも余所の一人娘とは違って、わたしの身よりと云うものは、あれより外には一人もない。わたしは亡くなった女房一人をたよりにして、寂しい生涯を送ったものだが、その女房が三十を越しての初産でお玉を生んで置いて、とうとうそれが病附で亡くなった。貰乳をして育てていると、やっと四月ばかりになった時、江戸中に流行った麻疹になって、お医者が見切ってしまったのを、わたしは商売も何も投遣にして介抱して、やっと命を取り留めた。世間は物騒な最中で、井伊様がお殺されなすってから二年目、生麦で西洋人が斬られたと云う年であった。それからと云うものは、店も何もなくしてしまったわたしが、何遍もいっその事死んでしまおうかと思ったのを、小さい手でわたしの胸をいじって、大きい目でわたしの顔を見て笑う、可哀いお玉を一しょに殺す気になられないばっかりに、出来ない我慢をして一日々々と命を繋いでいた。