후리가나로 읽는 일본 고전
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がん
雁
森 鴎外의 雁(がん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 73,950자 · 147화면
お玉は物を弁えるようになってから、若し身に為合せが向いて来たら、お父っさんをああもして上げたい、こうもして上げたいと、色々に思っても見たが、今目の前に見るように、こんな家にこうして住まわせて上げれば、平生の願がったのだと云っても好いと、嬉しく思わずにはいられなかった。しかしその嬉しさには一滴の苦い物が交っている。それがなくて、けさお父っさんに逢うのだったら、どんなにか嬉しかろうと、つくづく世の中の儘ならぬを、じれったくも思うのである。
箸を置いて、湯呑みに注いだ茶を飲んでいた爺いさんは、まだついぞ人のおとずれたことのない門の戸の開いた時、はっと思って、湯呑を下に置いて、上り口の方を見た。二枚折の葭簀屏風にまだ姿の遮られているうちに、「お父っさん」と呼んだお玉の声が聞えた時は、すぐに起って出迎えたいような気がしたのを、じっとこらえて据わっていた。そしてなんと云って遣ろうかと、心の内にせわしい思案をした。「好くお父っさんの事を忘れずにいたなあ」とでも云おうかと思ったが、そこへ急いで這入って来て、懐かしげに傍に来た娘を見ては、どうもそんな詞は口に出されなくなって、自分で自分を不満足に思いながら、黙って娘の顔を見ていた。