후리가나로 읽는 일본 고전
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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 魔王物語(まおうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,506자 · 23화면
平太郎はそれを押し止めた。
「これは、貴殿が拙者の難儀を救わんがためにしでかした過ちである、拙者の不調法も同じことじゃ、夜が明けたなら、拙者より庄左衛門殿にお詫をして、貴殿の迷惑にならざるようにいたそう」
「御親切はありがたいが、武士たる者が自己の落度を他人に塗つけることはできない……」と、云いながら正太夫は平太郎の隙を見て、脇差を脱いて我と我が腹へ突き立てた。
平太郎はびっくりして其の手にすがりついたが、もう如何ともすることができなかった。それでも彼は、正太夫の両肩をしっかり抱きかかえて、
「正太夫殿、正太夫殿」と、云って力をつけたが、傷が深いのかみるみる息を引きとってしまった。
哀れな友は己の犠牲になって死んでしまった。平太郎は其の死骸の前に坐って愁然として考えていた……妖怪などのために友を殺したとあっては、世間に対しても申しわけがない。それに、こんなことでは何時妖怪のために生命を落さないとも限らない。どうせ運のない体なれば、己の犠牲になった友といっしょに死んで、せめてもの申しわけをしようと思いだした。夜はもう明けかけていた。彼は別室へ往って伯父と新八郎に宛てて遺書を書き、再び正太夫の死骸の前へ往って諸肌を抜いで短刀を腹に擬した。