후리가나로 읽는 일본 고전
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면
彼の長い身体が、目に見えぬ早さで折れ曲り、踊り上ったかと思うと、四五間うしろの暗闇で、「アッ」という叫び声がした。さい前の賊がノコノコ立戻って、二人の様子を窺っていた。明智の投げた礫がそいつに命中したのだ。
「追駈けるんだ」
明智が叫んで駈け出した。
飛礫にひるまぬ賊が、闇の木立を縫って飛ぶ様に逃げて行く。追われる者も追う者も森を離れ、夜更けの町を黒い風の様に走った。
「馬鹿な奴だ。……あいつが今迄森の中にいたとすれば……まだ望みを失うのは早い。……うまくすると、賊の首領は芝居小屋にいるぞ」
走りながら、明智が途切れ途切れに叫ぶ。
賊の首領は洋子の死体が発見されたことをまだ知らないのだ。とすると、大胆不敵の彼のことだ。平気で奇術を演じ続けているかも知れない。
恋人の敵を捕える望みがあると分ると、一緒に走っていた二郎の胸に今更の様にムラムラとあの道化師の怪物に対する憎悪が湧き上って来た。
踏みつけて、叩きつぶして、眼の玉をくり抜き、歯を一本一本引抜いてもあきたらぬ、気違いの様な烈しい憎悪だ。
競馬馬の様に首を延ばし、身体を四十五度に倒して、走り走る。夜更けの田舎町、誰一人とがめる者もない。