轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
「小説新潮」新潮社、1960(昭和33)年8月~9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,925 字 · 41 页
文次は低く笑った、「いいじゃあねえか、おらあ現にこうやってここにいるんだ、すぐ知らせにいったらどうだ」
「冗談じゃあねえ、ばかにしなさんな」政は脛を叩き、そこをぼりぼり掻きながら立ちあがった、「いくらおれがなんだって、あにいをさすほど腐っちゃあいねえつもりだ」
「三日酒の義理か、あんげえ堅えところがあるんだな、そいつあ知らなかったぜ」と云ってから急に頭を振った、「いや、そうじゃあねえ、危なく感じ入るところだったが、おめえがさしにいかねえわけはほかにある、おい政、ごまかすな」
「かたなしだな」と政は太息をついた、「あっちじゃあしらばっくれるなと云われ、こっちじゃあこっちでごまかすなか、ぜんてえどんな弱いしりがあって、おれがあにいをごまかすんだ」
「徳銀の娘よ、名はおひろと云ったけな」
「おむらだよ」と政が云った、「おむらがどうして」
「おめえたちは今夜ここでおちあって、船でいっしょに木更津へ逃げるんだろう」と云って文次は頬の蚊を叩いた、「――とすりゃあ、岡っ引のところへ駆込むわけにゃあいかねえ、いけば木更津ゆきがおじゃんになるからな、どうだ、図星だろう」