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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
それに海女ほど貞操の堅いものはありません。裸体商売だから風儀が悪かろうと思うと大間違でございます。亭主を大切にすること迚も類がありませんな」
「食わせて大切にするんだから感心なものだね。お互のところ見たいに食わせてくれるから亭主が大切と言うのとは段が違う」
と団さんは益※(二の字点、1-2-22)嬉しがった。
「海へ入って鮑だの心太草だの真珠だのを採るばかりでなく、畑の仕事まで一手に引き受けて決して亭主に迷惑を掛けません。それですから私も女房に申すのでございます――『海女を見なさい、海女を』とね」
「何うだね、海女は、器量は?」
「左様な、何分水につかるので大概ふやけていますが、時には相応綺麗なのもございます」
「器量が好くて、亭主を大切にして、裸体商売だから無論着物は欲しがらなくて……」
と団さんが長所を数え立てると、
「要するにお互の女房とは全く反対の美点を具備している」
と三輪さんが言い、お父さんも、
「僕達は今更仕方がないけれど、若い人にはこゝの島へ婿に来るように勧めてやるんだね。好いことを聞いたよ。もう何か他に珍しい話はありませんか?」
「左様でございますな。