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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

でも二年足掛け三年目ですからね。無理もないわ。あの頃同年でしたから今でも矢っ張り同年なんでしょうねえ?」

「面白い清瀬さんねえ。そんなことを仰有るところは些っとも変っていないわ。けれどもいつかお別れする時には此処でお目にかゝれるとは思いませんでしたわね」

「だから矢っ張り長生はするものでしょう? 私真正にこんな嬉しいことないわ!」

「私も。この胸が一杯で何からお話して宜いか分らないの」

という風で、僕は寧ろお父さん達と一緒に行った方がお邪魔にならなくて宜かったろうと思うくらいだった。しかし続いて、

「謙さん、それではソロ/\御案内して戴きましょうかね?」

と僕も漸く田鶴子さんの認めるところとなって停車場前の大通りを辿り始めた。

「これが皆見物客よ。天気さえ好ければ毎日この通りです。田舎もなか/\馬鹿にならないでしょう?」

と清瀬さんは僕達の前の団体を指さした。両側から宿引が大声を揚げて頻に招いている。と見ると蝙蝠傘を担いだお爺さんと信玄袋を提げたお婆さんが往来の真中で立ち止まった。左右からの引力が全く均等の場合には前進は当然遮られる。宿引は得たり賢しと小腰を屈めながら、