轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
「お宅まで送るんですよ、長沢町でしょう」
「泊るんだぜ」と重吉は云った、「今夜はおめえとゆっくり話をしよう、古い友達と会って話すなあ、いい心持のもんだ、泊るか」
「お宅へいってからね、親分、お宅にだって都合があるでしょうから」
「すると、泊らねえっていうのか」
「危ねえ、駕籠にぶつかりますぜ」
喜助は重吉を抱えて駕籠をよけた。
そうして長沢町のうちへ帰り、むりやりに喜助を泊らせた。時刻もおそかったらしいが、彼は喜助を古い友達だと云い、久しぶりだから、二人で飲みながら話し明かすのだと云った。子供たちはみんな寝ていたようだ。お直が酒の支度をし、喜助がしきりになにか辞退していた。それを聞きながら、重吉は云いようもなくくたびれてきて眠くなり、そこへ横になった。
「おめえはやっててくれ」重吉は寝ころびながら云った、「おらあ、ちょっと休むから、ほんのちょっとだ」
そしてお直に、「すぐに起きるんだから、この友達を帰したら承知しないぞ」と云った。
そのまま眠ってしまったのだ。なにも知らなかった。たぶん明けがただろう、泥棒、という言葉を二度ばかり、夢うつつに聞き、夢をみているんだなと思い、死ぬほど喉が渇いているのに気がついた。