轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
六
「出よう、ちゃん」と良吉が元気な声になって云った、「早く出て東屋へいくべえ」
六
東屋は亀島橋に近い堀端にある飯屋で、すべてが安いうえに、酒がいいので評判だった。店は四、五十人もはいれるほど大きくて、女は一人も置かず、十四、五になる男の子が五人、若者が五人いて、客の相手をした。
ちょうど灯のはいったときで、店はひどく混んでいたが、良吉はすばしこく、二人並んで掛けられる席をみつけた。
「ちゃんは酒だ、肴はなんにする」と良吉はいせいよく云った、「おれは泥鰌汁で飯を食おう、――うちじゃあなぜ泥鰌を食わしてくれねえのかな」
「おれが卯年だからな」
「卯年だといけねえのか」
「うの字が同じだから、鰌を食うと共食いになるって、かあちゃんがかつぐんだ」
「だって鰻と泥鰌たあ違うだろう」
「おんなじように思えるらしいな、かあちゃんには」
「笑あせるぜ」と良吉は鼻を鳴らした。
重吉は鯊の佃煮と豆腐汁で酒を飲み、良吉は飯をたべた。彼は泥鰌汁のお代りをし、たっしゃにたべながら、休みなしに話した。父親におごっていることよりも、父親と二人で、つまり男同志でそうしていることに、誇りと満足を感じているようであった。