轻松读懂日语经典作品
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
「週刊朝日別冊陽春特別読物号」朝日新聞社、1958(昭和33)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,377 字 · 45 页
と重吉は細い声で云って、ひょいと盃を上へあげた。なにか云うつもりだったらしい。それとも心の中で云ったのかもしれないが、その盃を膳の上に置くと、そこへごろっと横になった、「まだ眠いや」
「少したべて寝なさいな、すきっ腹のままじゃ毒ですよ」
「まあいいや、ひと眠りさしてくれ」
お直は文句を云いながら立ちあがった。
枕を持って来て当てがい、掻巻を掛けてくれた。重吉は考えようとしたのだ。すっかり醒めたようでもあり、宿酔が残っているようでもあり、頭はぼんやりしているし、ひどく胸が重かった。眼をさましているつもりでいて、つい眠りこみ、子供たちの声で眼をさましたが、掻巻を頭からかぶって、ずっと横になったままでいた。
灯がついて夕飯になったとき、良吉が父親を起こしに来た。重吉はなま返事をし、お芳が向うからなにか云った。すると良吉が、芳坊は黙ってな、と叱り、戻っていって食事を始めた。――重吉は考えに考えたあげく、すっかり心をきめていた。自分の決心がたしかであるかどうかも、繰り返し念を押してみたうえ、みんなの食事の終るのを待った。
「ちょっと、みんな待ってくれ」
食事が終ったとき、重吉は起きあがって、そこへ坐り直した、「そのままでいてくれ、おれはちょっと、みんなに」