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なのかななよ

七日七夜

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页

青空文庫

とかいう、妙な助動詞のついた言葉で、彼に凭れかかったり手を握ったり、それとなく膝を抓ったりしながら、頻りになにか話しかけた。要約すると、貴方のような好いたらしい男に逢えて非常に嬉しい、自分はどうやら迷わされるらしい、貴方に逢わないほうがよかったと思うようになる心配がある、今夜のような気持になったことは初めてで、ことによるとこむらがえりを起すかもしれない。だいたいそんなような意味であった。

最後のところで昌平は吃驚した。

「こむらがえりが起るって、その、そんなに気分でも悪いのか」

「まあ大きな声で、気障ざますよう」

女はこう云ってまた膝を抓った。そして、自分は本当に好きな人とそうすると、しまいにこむらがえりを起す癖があるのだと説明した。よくはわからないが、それはたいそう濃情だということでもあるらしかった。

昌平は感動させられた。女性の身としてそこまでうちあけて語るということは、なみたいていな情緒ではない。けいせいのまこと、などというくらいのものではないと思った。

騒ぎは盛大なものだった。誰も彼もが愉快そうに飲んだり食ったりし、代る代る唄ったり踊ったり、そしてまた飲んだり食ったりした。