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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
三
三
昌平はその夜、新吉原の遊女屋へあがった。
自分ではそれほどの謀反気はなかったが、両国橋の近くで、飲んでいるうちに、えいっということになったらしい。駕でゆくか舟にするか、誰かとそんな問答もしたようである。どっちで来たかは覚えがない、気がついたら広い座敷で、大勢の女や男の芸者たちに取巻かれていた。百匁蝋燭がずらっと並んで、そこらじゅう酒徳利やむやみに御馳走を盛った皿や鉢だらけであった。
彼は一瞬どきりとした。
――これはたいへんな事になったぞ。
だがすぐに肚を据えた。
こんな事ぐらい誰だってやるじゃないか、おれだって人間だ、三千石の旗本に生れて、このくらいの遊びをしてなにが悪い。二十六という年まで芸妓遊びはおろか、満足に酒を飲んだこともないじゃないか。おれだって人間だ、男だ。ろくな小遣も呉れないで、冷飯なんぞ食わせやがって、なにがなんだ。
「さあ、賑やかにわっと騒いで呉れ」
昌平は勇気りんりんと叫んだ。
「金はあるぞ、おれはけちなことは嫌いだ」
それからまたなにがなんだかわからなくなった。
女や男が唄ったり踊ったりした。彼の側にいる女は「りんせん」とか「なまし」