轻松读懂日语经典作品
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
と怒ったように云い、父親の物だろう、袷を二枚重ねたのと、帯、羽折、足袋まで出して、まるで弟をでも扱うように、側からせきたてて着替えさせた。
「済むも済まないもありませんよ」彼女は小言を云い続けた、「――こんなぐしょ濡れの物を着て、躯でも悪くしたらどうなさるの、ほんとに男の人ったら幾つになっても眼が放せないんだから、いいえそんな物はようござんすよ、早くあっちへいらっしゃい、熱いのをあがってるうちに乾かしますから」
うしろから衿を直し、羽折や着物の裾をとんとんと引いて、店のほうへと押し出すようにした。昌平はなんとも云いようのない気持になった、はっきり云えるのは鼻の奥がつうんとなったことで、心持としては嬉しいとも悲しいとも、せつないとも判断がつかなかった。
「やあこれは、立派な若旦那ができましたな」
さっきの男が笑いながら迎えた。
「やっぱりそうですね、あっし共がお侍の真似をすると猿芝居だが、お侍の町人拵らえてえのは品がようござんすな、まあ一つ、こんな人間の酒で失礼だが、旦那のはいま燗直しをしていますから」
「そんならこっちのがいいぜ」向うの男が徳利を差出した、「――これあいま来たばかりで、おらあ煮燗てえくちだから、これを先にあげて呉んねえ」