轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なのかななよ

七日七夜

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页

青空文庫

昌平にはそれが新吉原のあの男のようにみえた、あの悪辣な婆さんのうしろに控えていた強そうな男に、……昌平はかっと逆上した。

「おれはもうがまんがならないぞ、刀を返せ、こいつを斬ってしまう」

「笑あせるな、出ろったら出ろ」

若い男は右手で燗徳利を掴み、立ちあがって台板越しに殴りかかった。

白い短かい棒のような物が、顔の上へまっすぐに落ちて来た。「やめて」と女の悲鳴が聞え、顔の上でがしゃんとなにかが毀れた。大勢の顔と眼がこっちを見ていた。昌平は刀を取ろうとした。それはいつも座の右に置いてある筈だった。

――みんなぶった斬ってやる。

彼は右側へ手を伸ばした。が、刀は無くって、空を掴んで、彼はその姿勢のまま横倒しになった。

「ふざけた野郎だ、外へ放り出せ」

「待って、その人思い違いよ」

「吉公、くせになるぞ、のしちまえ」

「待って頂戴、乱暴しないで」

男たちの呶号や女の叫びが聞えた。昌平は腰掛と台板の狭い処でもがいた、起きられなかった。誰かが足を掴み、非常な力でずるずると引き出された。

――おれは捉まった、兄だ。

昌平は暴れた。吝嗇な長兄の恐ろしく怒った顔がみえ、あによめの無情な、平べったいせせら笑いの顔がみえた。