轻松读懂日语经典作品
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
「――眼がさめると、なにもかも夢になってしまうんじゃないか、そんな気がするくらいです、本当にそんな気がするんです」
「夢じゃないわ、もしか夢だったとしても、貴方がその気になれば」千代はちょっと躊らった、
「――そしてもしもお気に召すなら、いつまでもさめずにいられるわ」
「そんなことが、まさかそこまで迷惑をかけるなんて」
「だって佐兵衛さんはそのつもりでいるんですよ」千代はいきごんで云った、「――貴方が此処で一生暮らすって仰しゃったのを本気にして、もう住む家の心配までしていますわ」
昌平はまた鼻の奥のほうがつんとなった。それから自分に舌打ちをして呟やいた。
「なんというだらしのない、……私は、いったいどんなことを話したんだろう」
「お屋敷のこと、お兄さまたちのこと、二十六年のお暮しぶりや、お金のことや、それからほうぼう遊びまわって、ひどいめにおあいになったこと、……でも、そんなこまかい話しより、喧嘩のとき貴方が仰しゃった一と言、あの一と言でみんなあっと思ったんです」
千代は顔をそむけた。そして指の先で眼がしらを撫でながら、続けた。
「馬乗りになっていた吉さんも、駈けつけて来た佐兵衛さんもあの一と言で息が止ったような顔をしました。