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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
「ソ、それで、タ、丹下は、助剣の人数がほしいと言うのだな?」
「へえ。腕っこきのところを束でお願い申したいんで」
「キキキ貴様が、あ……案内して江戸へ戻るというのか」
「はい。さようで」
「うう――いつ、いつ、たつ?」
「へ、そりゃアもう明朝早くにでも発足いたします。丹下様がお待ちですし、それにこの際一刻を争いますから……」
「ウム!」と強くうなずいた大膳亮、同時に鋭い眼光を左右へくばって、
「こ、これ! たたたッ誰そある!」
相馬藩中村の城下はずれに、月輪一刀流の鋭風をもって近国の剣界に君臨している月輪軍之助の道場へ、深夜、城主の定紋をおいた提灯が矢のように飛んだ。
軍之助へ、お城から急のお召し。
何ごとであろう?……と、とるものもとりあえず衣服をあらためた剣精軍之助は、迎えの駕籠に揺られてただちに登城をする。
そして、さっそく御寝の間へ通されてみると。
国主大膳亮はこの夜更けにねもやらず、夜着をはねて黙然と端座したまま瞑想にふけっているようす、つづみの与吉はすでに、ねんごろに下部屋へさげられて休養したあとだった……。
その夜、大膳亮は月輪軍之助にいかなるところまで打ち明け、しかして何を下命したか。