轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
どうぞわたくしの耳に届くところであれの名をお口へのぼされぬよう当方からお願い申したい」と結んだ主人は、折から縁の日向におろしてある鳥籠に小猫がじゃれているのを見ると、起って行って猫を追い、籠を軒に吊るしておいて座に帰った。
諏訪栄三郎の兄、大久保藤次郎である。
あさくさ鳥越の屋敷。
その奥座敷に、床ばしらを背に沈痛な面もちで端坐している客は、故小野塚鉄斎の従弟で、鉄斎亡きこんにち、娘の弥生を養女格にひきとって、何かと親身に世話をしている麹町三番町の旗本土屋多門であった。
「しかし、その御事情なるものが」藤次郎のしとねになおるのを待ってきり出した多門は、いいかけてやたらに咳ばらいをした。「いや、くわしいことはいっこうに存じませぬが、その、あの、下世話に申す若気のあやまち――とでもいうようなところならば、はっはっは、私が栄三郎殿になりかわってこの通りお詫びつかまつるゆえ、一つこのたびだけはごかんべんのうえ――」
「いやいや、初対面の貴殿におとりなしを受ける筋はござらぬ」
「ま、そう申されてはそれだけのものだが……」
「わざわざ御自身でおいでくだされて、あの痴け者を婿養子にとのお言葉さえあるに、恐れ入ったただいまの御仕儀。