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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
「科学上の真なるものにして応用のないという事はそれ自身矛盾のある言葉である」と言われた先生は、実用や応用ということを常に重視しておられた。そしてそのためにも哲学的の思索を必要とする点が、この書によって示されているのである。「今日の科学を盛るべき容器は既に希臘の昔に完成してそれ以後には何等の新しきものを加えなかった」と感じておられた先生にとっては、それは当然のことであったのであろう。
哲学の歴史は、人間の思索の道筋の歴史である。「科学者が外界の現象を取り入れてそれを秩序立てる時に用いる一種の型は畢竟するに哲学的な思索の種々な型のいずれかに適らないものはない」。科学史上に名をとどめている古来の科学者は、いずれもこの「型」の所有者であった。
近代の物理学は、あらゆる現象を力学的数式の形で与えようとする方向に進んで来た。ニュートンの仕事はそういう意味で、極めて重要なものであったことは、事あたらしくいうまでもない。物理学における「説明」の意味は、その大部分が、力学的数式によって表現されることを意味して来た。ニュートンは光学を力学の一部に包含すべく、光の粒子説を提出した。