轻松读懂日语经典作品
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
一二
薯を作ることが上手だというのは、五十俵穫ったことの説明にはならない。どう上手なのかが問題なのである。問題が困難で分らないのならば、それでいいのであって、この場合一番困ることは、そういうことを全然考えようとしないことである。
お役人や議員たちが、食糧増産に躍起になって、何百万町歩開墾計画とかいって騒いでいるようであるが、一方では五十俵と十俵とが、平気で顔を並べているのは面白い風景である。私たちも来春は雪を早く消して、二倍の増収を夢みているのであるが、十俵の方の二倍ならば、とんだ笑い話になってしまう。
一二
画期的な増産といえば、最近の新聞に、政府の方で新しく何百万町歩とかを開墾して、一千万石とか増収する計画が立てられたという話が載っていた。増産といえばすぐ開墾というのは、如何にも智慧の無い話である。この頃よく「いよいよいけなくなったら百姓になるさ」という話をきくが、それと似た程度である。百姓が一番むずかしい仕事なので、帰農などということは、そう生易しく出来るものではない。
開墾はもちろん必要であるが、それよりも大切なことは、既耕地の増収であろう。馬鈴薯反当五十俵と十俵との比較は極端な例であるが、それほどでなくても、この場合十俵を二十俵にすることくらいは、割に簡単に出来そうである。