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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
それからは『回想の寺田寅彦』にある間崎氏や竹崎氏への訪問がますますしげくなる。「夜竹崎を訪ひ、共に神楽坂の洋食屋に行き九時過迄亡き人の事物語りす。」「竹崎と間崎に到り例により、上野より万世に出で神楽坂の青陽楼にて食事。又和良店の隣なる間崎君の舎弟の下宿に到り、法律の話より霊魂不滅の議論となり十二時帰る。宿に着きしは一時過なりし」というような生活がかなりつづいたようである。
十二月二十四日「今夜は夏の御魂移し十一時より執り行はるべき筈なり」欄外に
亡き魂と親しむや窓の小夜しぐれ
『団栗』の最後は次の一章で結んである。
「団栗を拾つて喜んだ妻も今はない。御墓の土には苔の花が何遍か咲いた。山には団栗も落ちれば、鵯の啼く音に落葉が降る。今年の二月、あけて六つになる忘れ形身のみつ坊をつれて、此植物園へ遊びに来て、昔ながらの団栗を拾はせた。こんな些細な事に迄、遺伝と云ふやうなものがあるものだか、みつ坊は非常に面白がつた。五つ六つ拾ふ毎に、息をはずませて余の側へ飛んで来て、余の帽子の中へひろげたハンケチへ投げ込む。段々得物の増して行くのをのぞき込んで、頬を赤くして嬉しさうな溶けさうな顔をする。