轻松读懂日语经典作品
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しょや
初夜
山本 周五郎
「週刊朝日春季増刊号」朝日新聞社、1954(昭和29)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,384 字 · 35 页
「乱暴してはいけない、――私は右京亮さまから遣わされた上使だ」代二郎が云った、「――どうか除村にそう取次いでくれ」
そのとき玄関へ板土友次郎があらわれた。彼も桶皮胴を着け、足拵えをしていた。代二郎を見てとび出そうとし、佐藤と井関がいるので、式台のところで踏み止まった。
「いま上使と云われたのは貴方ですか」
板土がそう云った。代二郎がそうだと答えると、彼は嚇となって、ちょっと吃りながら叫んだ。
「本当に貴方が、脇屋さんがですか」
代二郎は答えなかった。
「貴方は除村先生の立場を知っている」と板土友次郎が叫んだ、「われわれは貴方が、事を共にするために此処へ来るものと信じていました、それを貴方は、上使として来られたというのですか」
「そのとおりだ」と代二郎が云った、「――どうか除村にそう取次いでくれ」
「まっぴらです」と友次郎がどなった、「私にはそんな取次ぎはできない、帰って下さい」
板土の声を聞きつけたのだろう、やはり武装した若侍たちが三人、どかどかとそこへ走り出て来た。その中に久保貞造がいて、なお板土のどなるのを聞きながら、烈しい敵意の眼でこちらを睨みつけ、ついで井関藤也をそれと認めたのだろう、手をあげて「うしろを固めろ」