轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わし

和紙

東野辺 薫

「東北文學」1943(昭和18)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,557 字 · 70 页

青空文庫

一

一

昨夜寝床に入ってからも、あれこれと思いめぐらしてみたのだが、別にこれという嘘言も浮かんでは来なかった。新聞の広告で見た新刊書がどうしても買いたくなったからと、半日をつぶすにしてはいかにも気の利かない口実とは承知でも、ともかくそんなことで町へ出ることにした。まだ細紐だけで炉の火を焚きにかかった母に、起きがけの一服をつけながら友太はさりげなく言い出した。

「……何せ、早く買わねどすぐ売り切れてしまうで……。」

「んだどもや。この頃は何でもそうだ。」

何も知らない母は気の毒だったし、自分としても、この上もない気苦労をさせられることを考えると、弟の惣吉が今更いまいましいものに思われてくるのであった。

昨日突然、としゑからの手紙を受けとると、早晩何か面倒を持ちかけられそうな不安が絶えず心を掠めていただけに、友太の心はもう重苦しく沈んでしまった。是非相談をしたいことがあるから、この前の旅館まで来てほしい、こちらからは二時までに間違いなく行っている。村までお訪ね出来ない身の上をお察しいただきたいと、そういう意味が割合しっかりした文章で書いてある。封筒の名はとしゑをもじったつもりであろう、つとめて男めかした筆跡で、山田敏英としてあった。