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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「ああ、陥没! うむ、ひょっとしたら、そんなことがあったかもしれない」

私は、気がついて、直ぐさま、水中望遠鏡を目にあてた。

丁度夜であったので、視界は遠くない。赤外線をこっちから出して、目的物に当ててみるが、充分でない。しかし艇を、あっちへやったり、こっちへやったりしているうちに、ついに海面下に大きな要塞みたいなものが沈んでいるのを発見した。

それは、たしかにベトンらしいもので出来ていた。天然の岩礁でない証拠には、色も黄色であったし、そして簡単な幾何学的の曲面をもっていて、人工であることが、すぐわかった。

「おい、オルガ姫。艇の前に今見えている黄色い竜宮城みたいなものがあるが、あの地点はどこかね。つまり、日本の地図から探すと、あそこは、どのへんに当るかね」

「はい、あれは室戸崎付近です」

「なに、室戸崎だって。すると、四国だな」

私は、そこに起点を定めた。

「じゃあ、艇を、ここから東北東微東へ向けて走らせよ。いや、要するに、紀州の南端潮岬へ向けて見よ」

「はい。潮岬へ来ました」

「おお、もう来たか」

私は、室戸崎から潮岬までが、ベトンで、ずっと続いているのを発見して愕いた。