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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「なに、日本より閉め出すというのか。オルガ姫、その先を……」

「――何故に、かくの如き手段をとるに至りたるかについては、余はその説明に、非常なる困難を覚ゆるものにして、まず劈頭において、わが日本国が、海面沈下したることを告ぐるなり」

「海面下に沈下したことは、知っている」

「――海面下○○メートルまでの陸地は、これを原子弾破壊機によりて、悉く削り取り、瀬戸内海をはじめ各湾、各水道、各海峡等を埋め、もって日本全土を、簡単なる弧状に改め、その外側を、堅牢なるベトンをもって蔽いたり」

「ほう、たいへんなことをやったものだ。とうとう原子弾破壊機をもち出したのか。なるほど、それを使えば、このような大工事も、極く短い時間内に、仕上がるだろう」

原子弾破壊機というのは、すこぶる強力なる機械である。今から三十年前、物理学者は、このような機械が、将来必ず出現するだろうと、理論のうえから推理をして、一部の世人を愕かしたものだが、それ以来、わが国では、新体制下の科学大動員によって、極秘に研究をつづけ、そしてようやく五年前、その最初の機械を試作したのであった。これはすこぶる能率のいい機械で、一端から一のエネルギーを加えると、他端からその三百倍のエネルギーが出てくるというすごいものであって、その原理は、原子を崩壊して、これをエネルギーに