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おおえどおうごんきょう
大江戸黄金狂
野村 胡堂
「新青年」1939(昭和14)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,754 字 · 53 页
七人の子孫に伝えて、何時かは七枚一時に世に出て、秘めた七万両の宝が、大久保家の再興に役立つように念じて刑死した」
「――――」
「七つに切った絵図面は、大久保石見守の百年忌に、箱根の山の間道で一緒に集まることになったのだ。こいつはまぐれ当りや、物のはずみじゃ無い。死んだ石見守の導きか、――いや、そんな事でもあるまい。俺達の眼にも止らない恐ろしい人間が、逞ましい智慧を働かせて、絵図面の切れを持った大久保石見守の七人の子孫を、糸をたぐるように、日本国中から箱根へ集めているのだ」
そう言う赤崎才市も、不敵な眉をひそめて、逞ましい肩をゾッと顫わせました。
「で――」
貝六は何んべん固唾を呑んだことでしょう。
「大久保石見守の子孫は、四方八方に散って居る。勝手な苗字で勝手な仕事をして居る。この赤崎才市もその一人なら、お前――厄介の貝六もその一人だ。七人の子孫が集まって、仲よく一万両ずつ分けるなら物事は穏かだが、――俺から始め、そんな事じゃイヤだ。七万両みんなか、元の杢阿弥かだ。七人のうちには太い奴も居るだろうが、七万両皆んなさらってやろうと、爪を磨いで居るのはこの俺ばかりじゃあるめえ」