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おおえどおうごんきょう

大江戸黄金狂

野村 胡堂

「新青年」1939(昭和14)年11月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,754 字 · 53 页

青空文庫

「――――」

「お滝姐さんは賢こいようでも人が好いから、俺の考え通りに仕事を運んでくれた。この山におびき寄せて、七人が互に殺し合うように仕向け、あとで七万両を俺がさらって行く積りさ――、七枚の絵図面が無きゃ、俺だってこの穴は解らない、だから、お滝姐御のところに絵図面を集めてやって、その坊主に絵解きをさせたんだ、――穴の入口を開けるのは難しいが、穴の天井には、息抜の小さい穴があると言い伝えられて居るから、お前達が此処へ入るのを見定めると、俺は外から廻って息抜を捜したんだ、四辺が暗いもの、足の下から灯が射すところを捜し出すのは、わけの無い仕事だぜ――どっこい、飛び付こうたって無理だ、下から此処まで三間以上ある上、岩の出来が馬鹿に頑丈だ」

海道丸の言い草は冷酷で高慢でした。

「己れッ」

我慢のなり兼ねた山浦丈太郎、入口から飛び出そうとしましたが、何時の間にやら龕灯返しは外から鎖して、岩の扉の外に、先刻の石をしっかり積んでしまった様子です。

「ハッハッハッ。駄目だよ、其処から外へ出られるものか、三十人ぐらいかかって、三日も押したら開くかも知れないが――」

海道丸は、顔を歪めて面白そうに笑うのです。