轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなはおなじものがたり

女は同じ物語

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1955(昭和30)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,279 字 · 44 页

青空文庫

安永の庭は広くて、林や草原があったり、小さな池もあった。なにげなくついてゆくと、ひょいと草むらの中にしゃがんで、「ほら此処よ」と云う。そして、彼が近よっていって、覗いて見ようとしたら、「わあ」と叫びながら、一疋の小蛇を摘んで、彼の眼の前へつきつけた。

「私は気絶しそうになった」と広一郎は云った、「たぶん悲鳴をあげたろう、気が遠くなったようで、われに返ったら、自分は草履をはいたまま、いつのまにか座敷の中に立っているし、母はおそろしく怒っているし、あの娘はげらげら笑っていた」

「あの方はお幾つでしたの」

「私が十二だから六つの年だ」と広一郎は云った、「そのまえの年だったと思うが、安永と梶と、両ほうの家族でこの赤根へ来たことがあった」

宿は東風楼だった。親たちが話をしているうちに、あの娘が「いっしょに湯へはいろう」と云った。彼が渋っていると「男のくせにいくじなしね」と云った。彼はつなといっしょに湯へはいった。湯壺へはいると、つなは潜りっこをしようと云った。

――髪毛が濡れるからいやだ。

――あとで拭けばいいわよ。

――母さんに怒られるからいやだよ。

――男のくせにお母さまが怖いの。