轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
それが、浅草のいいところでしょうが、しかしまた駄目なところです。悪い奴らが、そこへつけこんで、浅草のそういういいところを利用しますからね。――ゴロちゃんが会いに来たかッて、――それがなんです。ゴロちゃんは鮎子さんと一緒に病院へ来たんです。二人で威風堂々と玲ちゃんの枕もとへやってきて、――そのとき、鮎子さんは、見るからに高価な物すごい花束をお見舞だって持ってきたそうですが、あとで、ミーちゃんが、――あんなバカバカしい花なんか持ってきやがってと憤慨してましたっけ。どうせ持ってくるんなら、卵かなんか持ってきてくれればいいのにってね。――病院のお金の工面にフーフー言っていたんですからね。ミーちゃんは、ゴロちゃんたちが帰ると、その花束を窓から外へ捨てちまったそうです。――それから、間もなく玲ちゃんは、ゴロちゃんゴロちゃんって呼びながら死んじまいました」
ドサ貫は血のように赤い唇を歪め、玲子と同じ病いを秘めているらしい胸をせつなそうに撫でながら、
「てんで新派悲劇じゃないですか。いまいましいったら、ありゃしない」
「む――」
悶絶するような声を私は出した。
この話は、私をどんなに驚かせたことか。