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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
第七回 日記と注からなる一回
ドンちゃんと抱き合ってワーワー、ワーワー。そいで、あたしたちも悲しくなっちゃって、一緒に泣き出しちゃって、楽屋中みんながワーワー、ワーワー。それはもう大変な騒ぎ」
「ふーん」
「そいで、眼が真赤になっちゃったの」
その話はうそではないらしいが、しかしサーちゃんの眼の赤さは、それだけのせいでもないようであった。サーちゃんは、話し終ると、ソワソワした声で、
「ねえ、先生」
言い淀むのに、
「なアに」
「ここへ瓶口さん、来なかったかしら」
「さあ、僕も今来たところで……」
それを証明するごとくに、注文のコーヒーが来た。サーちゃんはまた顔を赧くした。
瓶口はついに姿を見せなかった。……
第七回 日記と注からなる一回
(――どういうわけか、筋の部分に入ろうとすると、筆が渋ってしまう。今回はそこでそうした渋滞を防ぐべく、当時の日記を抜き書きして、それに注を書き加える形で、筋の進展をはかろうと思う。)
*
×月×日。
「惚太郎」へ行く。懐に読みかけのマルロオの「王道」。客がいないので鉄板の前で読む。(※一)俺も旅に出たい。
「君、彼女らが≪変態≫の男をどう呼んでいるかを知っているかい?……≪インテリ≫と言ってるよ……」