轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

受け取らないと言ってテーブルの上に投げ出してあった金が、すでに外人の眼にとまっているので、仕方がないから通訳はそのまま事情を語った。聞いて外人は黙ってその場を去ったが、あとで通訳に、お前の望みをなんでもいいから遠慮なく言ってみろ、自分ができることなら望みをかなえてあげようと言った。

「まるでお伽噺に出てくる神様みたいなことを言ったんだね」と画家の友人は私に言うのだった。「友人は一風変った男で、――神様が言うようなことを人間が言うのに、なにをといったムッとした気持になったという。そこで、あんたはすぐ日本を去るというが、どこへ行くのかと聞いた。わからないという返事に、フランスへ行かないかと言った。どうして、と外人が聞いた。――フランスへ行くようだったら、自分を一緒に連れて行ってほしい。望みというのは、それだ。――駄目だろうと、半分思いながら、つまりムッとした気持から難題を吹きかけるようなつもりでそう言ったそうだが、半分は本気で、画の勉強にパリへ行きたがっていたんだ。――ところが、よろしいというわけさ。自分もこれで行き先が決って嬉しいと外人はほんとうに嬉しそうに握手を求めたそうだ」