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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
ているようで、実際は暗がりのなかにいる私を雅子は気づくわけはないのだが、でもどうしてもそんな気がして、雅子の上にまともに眼が据えられないのだった。私はサーちゃんに眼を移した。するとサーちゃんと眼が合って、いやサーちゃんも私が客席にいることを知っているわけはなく、私の存在に気づくわけもないのだから、眼が合ったのではなく、サーちゃんがこっちへなんとなく眼を向けたのを私が勝手にそう感じたのにすぎないのだけれど、それでもやはり何か恥かしくなって、眼をそらせた。
やがてダンシング・チームは舞台の後方に退り、タップの男が颯爽と出て来た。そして踊り子たちの前で、踊り子たちに見せびらかすような感じで、タップ・ダンスを踊って見せるのだったが、私はその男に、いかばかり激しい羨望を感じたことか。嫉妬という方がいいかもしれぬ。同時に私はオーケストラの連中にさえ嫉妬を感じた。――彼らは超然としているのだ。私の眼に輝いているようなものは、彼らの誰の眼にも見られなかった。そんな彼らに、それだから余計嫉妬を感じたのだ。
私は雅子の方にそッと眼をやった。雅子はサーちゃんと並んで、脚を揃えて立っているのだが、そのみずみずしく、つややかな、ほんとうに汚れのない感じの、ふっくらとした脚を(くどい文章を読者よ許されよ。