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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
と値段が入っている。それからは値段が上る)。テキ、二十仙。おかやき、十五仙。三原やき、十五仙。やきめし、十仙。カツ、十五仙。オムレツ、十五仙。新橋やき、十五仙。五もくやき、十仙。玉子やき、時価。
この「仙」という字が、ちょっと私は気に入らなかった。「銭」でいいではないかと思い、その後、なんとなく細君に言うと「仙」というのは、人に山で、――「人が山と来るというんで縁起がいいそうで」と説明された。
――写している途中、二階から新顔が降りて来た。すると火鉢を囲んだ一人が、
「○○君は死んだ?」
大きな声で、降りてきたのに言った。
「いいや、まだ殺されねえ。――でも、もうすぐ殺されるよ」
「そうか。しからば、急いで食わざなるめえ」
――芝居の稽古であった。一座を組んで、出しものを用意して、映画館のアトラクションとして売り込もうというのであった。その役者の一人が、お好み焼屋の二階に間借りしていたので、とても稽古場にならない狭い二階だったが、席料を取られないところから、借りたのであった。二階にいるその役者は末弘春吉といって、私は下の火鉢で顔なじみであった。浅草に住んではいるが、公園の舞台とは関係のない恵まれない役者であった。