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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

そんなのは、けしからん生活力を湧き立たせることだが、いい意味での生活力も湧き立たせる。腐ってる役者なんかを奮起させたり、この頃上ったりのうるさ方がまともな根性を持って、おでん屋を開くようになったり、――但馬というのは、これはもしかすると、何か異様なものを持った、普通の人間とちがう、凄い奴かもしれないですな」

一気に言ったが、思いなしか、最後の言葉を言った時のその嗄れた声は、恐怖に似た畏敬と憎悪に似た反撥との奇怪な混合を示しつつ、震えていた。だが、すぐ朝野は悪夢でも払うように首を振って、

「いや、違う」

と大きな声で言って、自分ながらその大声に驚いた顔をしかめたが、――つづいてそのこわばったしかめ面を、そうして直そうとでもするように、

「倉橋君。パイ一やらんですか」

突然そう言うと、眉を開いた。

「やりますかな」

「――倉橋君。僕は金を持ってないんだが、ありますか」

「ええ、少しぐらいなら」

私は朝野の言葉をまるで自分の方で言ったみたいに恥かしい想いをした。そして朝野は、彼がまるで私のような顔をしていた。

私はすぐさま立ち上ろうとした。すると朝野は抑えるように、